02.東京へ行ってきました。。。

2009/06/01

家具と室内意匠史研究の第一人者、小泉和子先生が館長をされている ”昭和のくらし博物館”での土曜夜間講座 「小泉和子先生が語る家具の歴史 建築家・藤井厚ニの仕事」を受講してきました。 先生が3月に静岡県インテリアコーディネーター協会の講演会で 来静してくださった時にお誘いいただいていたので ずっと前から予定していました。 (…という訳なので、SICの皆さん もし見てくれていたら定例会に出れなくて申し訳なかったです。)   自営業で自由の身のはずなのに   その気になって予定をしておかないと身動きできない自分が少し悲しい… 藤井厚ニは1920年代に主に京都で活躍した建築家ですが 日本の気候風土に適合した住宅の科学的考究や ユカ座とイス座の融合、和風材料による内装の追及をした人で パッシブデザインの元祖のような存在といえ 一時忘れられていたのが1970年代のオイルショックをきっかけに 注目されるようになったそうです。

「日本の住宅」という実験 風土をデザインした藤井厚ニ 小泉和子先生著 農文協 今建築に関わっている人なら必ず意識せざるをえないような内容で あまりに身近な問題として普段係わりがあることなのでかなり驚きました。 時代が追いついた…との事でしたが 当時から気づいて取り組んでいたのですから…スゴイです…!!! 会場の”昭和のくらし博物館”は 太田区南久が原にあります。 小泉先生のご実家だった建物で 昭和26年に建てられたいわゆる公庫住宅だそうです。 先生のお父様の設計で昭和のくらしぶりや生活雑貨が展示されています。   懐かしい…です。 講座の当日、大学を卒業したばかりというかんじの参加者の女性が 丸座卓の脚が折れるのをみて感心していたのが印象的でした。   …ちょっと誤解しないでくださいね。。。   …私もリアルタイムで丸座卓を使っていた世代ではないです。   学生時代にリバイバルで流行ったので懐かしいだけですから… せっかく東京へ行くので寄り道に 東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)へ行ってきました。 インテリアをやっていながら恥しいのですが実は初めてです。   一見は百聞にしかず… 現代の百聞って写真やTVやWEBのことだと思うのですが 実物を見るのが一番ですね。 ルネ・ラリックのガラスレリーフやアンリ・ラパンの内装空間の中で アール・デコ様式の体感ができます。 デザインとしては面白いけど…というのが実は私の感想です。 職業病でしょうがないのだけれどついついディテールに目がいってしまいます。 大理石がきれいでした。 ふだん使っているものとはあきらかに違う肌目と模様で思わず見とれてしまいました。 こんなの使ってみたいものです… あとピクチャーレールがデザイン的に違和感なく仕込んであるのも… ちょうどエルミタージュ美術館所蔵の エカテリーナ2世の4大ディナーセットの展覧会をやっていて 最初はラッキー!と思いましたし、もちろんそれはそれで良かったのですが 退色の関係でカーテンをひいて暗くしてしまっているため インテリアを見るのにはちょっと残念でした。 会場で話しかけてくれた女性も同じ感想をおっしゃっていましたが インテリアをみるのが目的なら 何をやっているかを確かめていった方がいいと思います。 最近は用事が済むとすぐに帰ってきてしまう事が多かったので 久しぶりに美術館にも行けたりして充実した一日でした。

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